Sponsored Link

二人のライバルは?

そんな二人の2020年最大のライバルは、アメリカのブラッドリー・スナイダー選手(B・SNYDER)です。
元海軍兵士、アフガニスタンでの任務中、地雷の爆発に巻き込まれ、視力を失いました。
しかし、その翌年の2012年ロンドンパラリンピックに出場し、400m自由形で金メダルを獲得、さらに4年後の2016年リオパラリンピックでは、鍛えられた肉体から生み出される桁外れの泳ぎで、
50m自由形 決勝1位
100m自由形 決勝1位(世界記録)
400m自由形 決勝1位 
と、自由形の3種目全て制覇。記録もだんとつです。
スナイダー選手は、50mでも400mでも金メダルをとっていて、スピードと持久力を両方兼ね備えた選手であるということがわかります。

★スナイダー選手の、これまでのパラリンピックの成績★
2012年ロンドンパラリンピック
自由形100m 金メダル
自由形400m 金メダル
2016年リオデジャネイロパラリンピック
自由形50m 金メダル
自由形100m 金メダル
自由形400m 金メダル

富田選手からみて、「パフォーマンスも本当にすごい選手。尊敬している選手。ぜひ一緒に勝負したい選手です。2020年パラリンピックでは完全なるライバルだと思っています。」
鷲尾さん「富田選手ならスナイダー選手に勝ってくれると思う。」

Sponsored Link

強さの秘密は?-加圧トレーニング・脳波-

富田選手の練習は常にフルスロットルです。
名門日体大は、日本一厳しいと言われる練習量。
多いときは1日16km。50mプールを160往復するといいます。

日体大にはいってみて、富田選手は、「かなりきつい。最強になれるから、もういくしかない。」

一度は水泳をやめた富田選手ですが、東京パラリンピックを目指し、競泳を再開します。
人生をかけて競泳に打ち込むことを決意。
その思いに答えようと、藤森善弘ヘッドコーチも全力で指導します。
体幹を意識させるために、片腕を上げて泳ぐ、片足を上げて泳ぐ、など、スピードアップにつながる厳しいメニューを課しています。
藤森コーチ「世界一になるためにやっているので、世界で一番のことを常にやり続ける。」

プールでの練習後は特別メニューを行います。
両太ももや両腕などにバンドを巻き、血流を制限、低酸素状態にして行うトレーニングです(加圧トレーニング)。
バンドより下の筋肉はすでに限界の状態の中、スクワットや腕立てをします。
極限の状態でトレーニングすることで、効率よく筋肉を鍛えることができる、というメカニズムです。
富田選手「水泳で後半を泳ぐときに、体がまったく動かなくなってくる。それと同じような感覚が短時間で味わえる。」

その他、富田選手は、都内の病院で、脳波を計測して、泳ぎや筋トレとは違ったトレーニングをしています。
セラピストの中川朋さんによると、
「ポイントは、富田くんは、覚醒状態が非常に低いこと。富田くんは、健常者よりも眠たい波形が高くなる。」とのことです。
寝る間際や、まどろんでいるときにでる脳波が、富田選手は一般的な数値よりも高くでているのだそうです。
視覚がブロックされていると、起きていても、脳が眠たい状態になりやすいのだそうです。
富田選手は、「これからレースなのに眠い。」という状態なのだそうです。

そこで行っているのが、ストローを使った呼吸トレーニング。
息を短く強く吸って、肺や横隔膜が刺激をうけ、その結果、脳が覚醒する。というメカニズムです。
試合でもこの呼吸法を実践してきました。
富田選手「レースに集中できる。やるぞ!という気持ちでコース台に上がれる。」

パラ競泳世界選手権ロンドン2019結果

2019年9月 パラ競泳世界選手権ロンドン、400m自由形、100mバタフライの試合がありました。
富田選手は、この大会で金メダルをとれば、2020年パラリンピックの出場が内定します。
100mバタフライは、世界ランキング2位。(1位は木村敬一選手です。)

試合の結果は、男子400m自由形S11視覚障がいのクラスで、自らが持つ日本記録を0秒81更新する、4分32秒90をマークし、銀メダルを獲得しました。
100mバタフライS11では、木村敬一選手が1分2秒22で優勝、初出場の富田選手は1分3秒64をマークし銀メダルを獲得しました。

富田選手はこの大会2つの銀メダルを獲得しましたが、東京パラリンピックの内定を得ることはできませんでした。
富田選手「金メダルが獲れなかったのは悔しいが、ベストを尽くした。」
来年の金メダル獲得のために残り1年、新たな強化拠点として国が拡充したナショナルトレーニングセンターで練習をつむ予定です。

東京大会ではどんなレースが見られるのか、とても楽しみです。以上、富田宇宙選手、タッパー鷲尾拓実さんについてでした!

2020東京大会【水泳】日程・予定

日程:2020年8月26日(水)~9月4日(金)
会場:東京アクアティクスセンター(辰巳の森海浜公園)