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2019年の二人は

2019年3月、100mで世界記録更新を掲げる二人に、予期せぬ事態が起こっていました。
ジェロームさんが練習中に左膝を怪我してしまったのです。
さらにジェロームさんは、体に大きな爆弾を抱えていました。
自らのスピードを抑え、窮屈なフォームで走り続けてきたため、体に大きな負荷がかかっていました。
その結果、股関節に疲労が蓄積し、違和感が生じていました。
さらなる怪我に繋がりかねない状態でした。

現在40歳(執筆時)のジェロームさん、肉体的にもピークは過ぎています。
ジェロームさんは自らにむち打って、伴走に耐えられる肉体を取り戻そうとしています。

世界記録を更新するためにも、そしてジェロームさんに無理をさせないためにも、
デイヴィッド選手がスピードを更に上げることが必要でした。

2019年6月、イタリア、
2ヶ月のブランクのあと、ジェロームさんが怪我から復帰しました。
この日、今シーズン初の国際大会に挑みました。
タイムは、想定を大きく下回る、11秒31。
このままでは、世界記録更新が難しいかもしれません。
原因は、デイヴィッド選手のスピードがいまだ上がらないことでした。

ジェロームさんは、デイヴィッド選手が、無意識に、自分の中に限界を設けているのではないかと感じていました。

ジェロームさんは、記録をやぶるためには、自分自身に挑戦し、全てを出しきらないといけない、といいます。
「自分自身を駆り立てるのが怖かったら、決して速くはなれないのです。」

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ジェロームさんは、デイヴィッド選手に限界を超えさせるために、ショック療法を
取り入れることにしました。
これまで追求してきたシンクロをいったん脇において、デイヴィッド選手を挑発し始めたのです。
ジェロームさんは、「競争心を掻き立てるのです。『俺より速く走ってみろ。ただ隣を走っているのではなく、俺を打ち負かせ』と。」
未知のスピードに到達するためには、心のリミッターをはずす必要がある。
ジェロームさんはそう考えていました。

そして二人は、アメリカ国内で行われた記録会に臨みました。
『11秒20』、今シーズンのベストタイムを更新します。
二人は確かな手応えを感じていました。

ジェロームさんは、「満員のスタジアムで、観客が熱狂している姿が頭に浮かびます。
アスリートたちが、ここ(新国立競技場)で追い求めるのは、スポーツを超えた、人間の可能性です。」
「私達がやっているのは、陸上競技ですが、私とデイヴィッドの関係は、人生のすべてに当てはまります。
日常生活や仕事、すべてに通じるものです。信頼し合うことが大事なのです。」と話します。

1人では届かない世界も、二人ならたどり着けると、デイヴィッド選手、ジェロームさんをみていると、人間の新しい可能性を強く感じます。

2020年東京パラ陸上日程 予定

2020年9月3日 男子100m/T11 決勝
2020年9月2日 男子100m/T11 準決勝
2020年9月2日 男子100m/T11 予選